大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和28年(う)38号 判決

原判決の挙示している証拠によると原判示認定の事実中被告人が中村政之丞、稲葉活蔵、高川勝太郎、鈴木賢之助に貸付けた各金員については何等利息を付する旨の契約をしていないし、縁故者の願いにより一時貸与したものと認められるところであるが、その他の草彅喜一郎外三名に対し昭和二十五年四月二十二日から同二十七年八月一日迄の間六回に亘つて合計金三十九万八千二百円を貸付けたのはその回数、金額、利息、返済期限などからみて業として貸金を為したものと認定するのが相当である。弁護人は(1)草彅喜一郎に対する金千二百円は貸金ではなく木炭買入の前渡金であるし、(2)中村政之丞、稲葉活蔵、高川勝太郎、鈴木賢之助に対する各貸金については何等利息の定めがなく単に縁故者から依頼せられて一時融通したに過ぎない。又佐々木市松に対する分は被告人が古物商として売掛代金債権を準消費貸借となした位の気持であつたもので、以上被告人の各金員出捐の事実は業として貸金を為したものに該当しないものであるから、原判決は明かに判決に影響する事実の誤認であると主張するのであるが、(1)原判決挙示の原審証人草彅喜一郎の供述によれば、被告人が草彅に交付した金千二百円は木炭買入代金の前渡金ではなく木炭の製造材料を入手する資金が不足であつたのでその資金となす為借用したことが明かであり、(2)菅原礼治、後藤佐一郎、佐々木市松に貸付けた各金員については夫々利息の契約があるが、弁護人の指摘する中村、稲葉、高川、鈴木に対する貸金については何等利息についての定めがなく縁故者の願いにより単に一時融通したのに止まるものと認められるので、右四名に関する限り被告人が業と為す意思がなかつたものと認定するのが相当である。従つて此の点に関する原判決の認定は明かに判決に影響を及ぼすべき事実の誤認があるものといわなければならない。論旨は理由がある。

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